米ドルは反発!?
年初から世界的な株式市場の下落に伴い、為替市場でもドルを売り込む動きが強まったことからドル円は先週の110円台から今週水曜日には105円台をのぞくなど米景気後退を懸念して米政策金利の利下げへの期待感からドル売りが強まっており、今週のユーロドルは1.4915と昨年11月の1.4968に近づく勢いとなっていた。
年末から1月末に予定されているFOMCでは0.25%あるいは0.5%の利下げを織り込む向きが多かったが、今週に入り米小売売上高、フィラデルフィア連銀指数など予想を大幅に下回る経済指標が続いたことから米利下げ期待感が0.5%利下げから0.75%の利下げ予想まで台頭する結果となっている。また、今週に入りECB理事からのインフレ率の低下についての言及が行なわれたことから利上げへの期待が高かったユーロについても利下げの可能性について囁かれ始め、また同様に春までに利上げとの期待が高かった日本円についても利上げ期待から中立あるいは利下げの可能性すら出始めている。
昨年3月に問題視され始めたサブプライムローン問題もそろそろ1年近く経過しており、年初に発表されている米金融機関の決算では巨額の損失を計上する結果となった。但し、こういった損失については市場の多くが既に織り込んでおり、年明け移行の決算発表への影響は比較的軽微と言えそうだ。
また株式市場の下落幅も大分広がっておりドル売り、株売りにも目先では過熱感が広がり始めているように見える。日経平均株価の場合、一目均衡表月足雲上限が13,300円近辺にあり、また2003年4月の安値8249円と2007年 3月の18,300円の半値戻しが13,275円と同レベルにあり、本日の安値13365円はほぼ半値戻しを達成したレベルといえ、日経平均株価についてはそろそろ底入れの時期が近いのではないか。
さらに、ダウ平均株価については2003年3月の7416ドルからの支持線が現在12100近辺となっているが、こちらは週足の雲下限を下抜いていることから11,500ドル程度までのもう一段の調整局面を見る可能性が残されている。いずれにせよ株価については今までのような株価の下落スピードを維持すること無く、もみ合いに入る可能性が高いように思え、その意味ではテクニカル面からは株価は落ち着きを見せるのではないか。
また世界的な利下げ局面入りは株価にとって押し上げ材料であることは確かである。但し、不安材料としては世界的な利下げとなった場合、通貨の過剰流動性が更に進む可能性が高くなり投機資金に流れる可能性も出てくる。そんな中で投機資金の流入先と思われる原油価格が目先の天井をつけた可能性が高まっているように見える。
原油のチャートはユーロドルのチャートと似ており88.00近辺に日足雲下限、また11月の99.11、1月の100.09をダブルトップとすると12月の85.82を割り込み始めるとストップロスの売りに加速がつき80ドル台前半まで一気に下落する可能性も出始めている。原油価格など原材料価格の下落はインフレ懸念を内包する米国や欧州にとっては朗報と思われ、利下げのアクションを取りやすくなることは確かであり、見ようによっては米国の都合のいいように石油相場が動いているようにも見える。
株式市場の下落に歯止めが効き、また資源価格がある程度下落することによって再度、低金利通貨での調達、高金利通貨での運用が活発化する可能性もあり、昨年末より進んでいるドル円を含めての円買いも一服、しばらくはもみ合いとなる可能性もあるのではないか。但し、ユーロドルや下げたとは言え、未だ高いレベルで取引されているポンドドルなどドルを買い戻す動きが更に活発化する可能性もあることから、円クロスは全体的に円高傾向が継続、ドル円は戻りの鈍い中でドル買いとなるように見える。春先までのドル円は104-112円程度のレンジで推移するのではないか。
当サイトへの協力サイト様
FX自動売買で投資生活@無料のシステムトレード口座比較!
多くのFXトレーダーが利用している自動売買(システムトレード)を徹底的に分析し、精度の高いロジックを無料で利用できる業者をランキングしているFX比較サイト。
自動売買を開始したFX業者大手の「セントラル短資FX」やエコトレで有名な「ひまわり証券」など、シストレの特集記事もあるため、興味のある方には非常に役立つサイトです。
クルップの情報商材レビューサイト!FX投資で使えるのは・・・
投資を行ったことがある人なら一度は知りたいと思う「情報商材」。金融業界で働くクルップさんがその気になる商材を自ら購入し、投資に役立つFX商材を紹介していくサイト。
怪しいものが多く販売されている中、このようなレビューサイトがあることは貴重ですね。
2008年の相場を振り返る
2008年は年初こそ世界的なインフレ懸念から資源価格が高騰、金価格は年初の638ドルから845ドルまで、原油価格は61ドル近辺で開始、一時は99.29と100ドル目前までの上昇となっている。
中国などの新興国の経済活動が活発になったことから世界的に資源の需給バランスが崩れ資源価格を押し上げたとの説明もあるが、一方ではドルを基軸とする世界的な貨幣経済に変化が起き始めていることから、米ドルの価値が相対的に低くなる中で資源価格が上昇、投機的な資金の大量流入によるリスクマネーの膨張によってマーケットが動いていたと言えるのではないか。円キャリートレードもそのひとつであり、中国や日本などの過剰流動性がリスクマネーとして株式や資源マーケットを押し上げているといわれている。
今年は年後半、サブプライムローンと言われる住宅関連ローンの証券化商品の格付け引き下げを契機として投機的なポジションのアンワインディングが起きたことで8月には円キャリートレードを手仕舞う動きが活発化、高金利通貨円クロスが急落を見せる場面もあった。その後は米株式市場の落ち着きに円クロスは予想以上に底堅い値動きを見せているが、本質的には未だに投機的な資金は市場を席巻しており、来年にかけて更なる円高局面を見る可能性が高まっているのではないか。
市場を大きく動かしている材料が未だに過剰流動性であるとすれば、中国や中東、また日本の巨大貿易黒字が米国に滞留することによって起きていると考えられる。中国は人民元の切り上げを徐々に行っており、6%を越えるインフレに苦しんでいることから来年にかけて更に金利を上げるものと思われる。
また中東もドルペッグ制によって比較的安全に米国に資金を融通してきたが、今年のドル安には中東勢もドルを資産として持つことに危機感を抱きつつあり、ドルペッグ制そのものの見直しを検討しているようだ。2010年には中東湾岸諸国統一通貨を導入する計画もあり、現状のドルペッグ制を継続する可能性が低くなっている。
また日本では年内に0.25%利上げ(0.50%→0.75%)を行う予定であったが、米国のサブプライムローンをきっかけとした信用不安から各国が利上げを凍結、日本も結果的に利上げに踏み切れないまま年を越す形になっている。
来年はこういった中国、中東、日本など米国経済を支えていた資金が米国への投資についてリスクの許容範囲が狭くなっているおり、米国からの資金の逃避=ドル売りの流れが更に加速する恐れが出始めている。2001年ごろから始まったドル安の流れはユーロやポンド、豪ドルなどの国への投資に既に流れており、こういった通貨の対ドル相場はここ数年で大きく買い進まれている。しかし日本円は景気後退時期が長かったこともあり、世界的に信用力が無いことから円を買う動きは限定的となっている。
財政赤字や市場の国際化の遅れなど日本に対して悲観的な観測が増えており今後も円を買う動きは限定的となりそうだが、米国の基軸通貨としての地位は風前の灯と言え、来年はドル安が一段と進む可能性が高まっているように見える。
来年3月までの任期となる福井日銀総裁も任期中に後一回の利上げを行う可能性も高いと思われ、この利上げを理由として円を買う動きも活発化するのではないか。となれば来年第一四半期はドルが全体的に弱含む可能性が高く、ドル円も再度107円を探る可能性が高いと思われ、その後の展開によっては100円を目指す可能性も捨てきれない。
また長期的なドルの凋落となれば、100円を大きく割り込むようなステージも念頭に入れておくべきではないか。ではユーロなどその他の通貨でもドル安は継続するのであろうか。ユーロや豪ドル、ポンドなどの主要国通貨はここ数年ドル安が続いており、これ以上のドル安は世界経済のバランスを崩しかねない状況に来ている。ここまでドル安を放置してきた米国もこれ以上のドル安を望まないことは確かであり、欧州も行き過ぎたユーロ高を放置する可能性は低いと思われることから1.50を越えるようなユーロ高には介入等の行動を起こすのではないか。
世界的な通貨バランスの不均衡はいまや人民元と同等にアジア通貨や日本円も包含していると思われ、来年はこの不均衡の是正のための日本円を含めたアジア通貨高の動きが活発になるのではないか。
来年には米大統領選挙が予定されており、米国の景気後退局面を回避するための方策はなりふり構わず行う可能性が高いと言える。為替政策もそのひとつであり、日本円を含めたアジア通貨の切り上げを対ドル、対欧州通貨でも後押しするような政策が出てもおかしくない。年初の円安に対して来年中盤以降は円高が進む可能性もある。大きな流れを念頭に置いての外貨投資を検討しなおす必要がある。
今年は年初円安が進み、円を売っていれば儲かる相場展開となっていたが、中盤から急激な円高局面を見るなどここ数年の値動きとは違ってきている。こういった動きは来年も続くと思われるが、グローバル経済が進む過程で通貨の価値は常に変動するこの流れに乗ることが為替相場の妙味であり、来年も大きな目で相場を見ることができればと思っています。